日本茶インストラクター訪問記

人を感動させる美味しいお茶は、人・土地・お茶というそれぞれの要素が、持ち味をすべて出し切ってこそ生まれるものだと感じました。

 平成17年初夏。日本茶インストラクターの資格を有する井上香織さんが、私共の浮辺製茶の茶園を訪問してくださいました。そのときの感想をレポートにまとめてくださった文章をご紹介します。

知覧・浮辺製茶を訪ねて

工場の様子1

 鹿児島県知覧町の若手茶農家である浮辺製茶・山口浩一さんとの出会いは、私が開いている日本茶教室に参加してくれたことがきっかけでした。

 茶を知り尽くしたプロでありながら、教室に通って別な角度からも日本茶を学びたいという謙虚さと熱心さが印象に残っています。

 控え目な方なので、後で人づてに聞いて知ったことなのですが、全国茶品評会で1位に当たる農林水産大臣賞を受賞した方とのこと。

まさに、実るほど頭を垂れる…とは本当ですね。

 せっかく知り合う事ができたのだから、日本一のお茶が生まれる生産現場を見てみたいと申し上げたら、年間で最も忙しく睡眠時間もままならない過酷なスケジュールの中、「せっかくだから新茶の時期に来て下さい」と時間を作ってくださいました。


工場の様子2

 時は5月。新茶の最盛期。知覧の茶畑は、どこまでも鮮やかな黄緑の新芽が一面に広がっています。低い山々に囲まれた土地には爽やかな風が吹き抜け、手についたら真っ黒になるほどの力強い土に恵まれた、まさに”お茶のためにある場所”だとしみじみ感じました。

 摘んだばかりの新鮮なお茶が運ばれてくる工場も見学させていただきました。最新機器が導入された、すみずみまで目が行き届いた清潔な工場でした。近代的な設備でお茶を生産するとは言っても、茶葉は生き物。素晴らしいお茶にするのは、機械ではなく、やはり「人」。私たちを案内しながらも、葉の状態に目を光らせ、サッとコンピュータの設定を微調整している姿は、昔ながらの職人そのままでした。


インタビューの様子1

 今回お話を聞く中で、直売を始められた理由は、お客様と触れ合えるような生産者でありたいとのことでした。毎日飲むお茶だからこそ安く・おいしいものを・・・という気持ちが強くあるようでした。一流と呼ばれるデパートにも並びますが、購入される方と直に接することの出来る喜び、また途中過程を抜かすからこそ安くお客様へ提供出来ること・・それらのために少しずつではありますが直売を始められたそうです。ここにもお客様第一主義の山口さん一家の気持ちが見えるような気がしました。


日本茶インストラクター 井上香織取材・文
日本茶インストラクター
井上香織

 今回、浮辺製茶の茶園を見学し、人を感動させる美味しいお茶は、人・土地・お茶というそれぞれの要素が、持ち味をすべて出し切ってこそ生まれるものだと感じました。

 今回の見学は、日本茶インストラクターである私にとって、とても貴重な体験でした。これほどまでに手をかけ、心を込めて作られる日本茶・・・。その良さを十分に引き出す美味しい入れ方を多くの方に伝えて、しあわせな時間を持ってもらえるように、日々精進したいものです。

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